ある女性研究者の日記 :A Journal of a Female Researcher

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大学教員は「総合職」と痛感する、遅咲きの文系研究者です.静謐な環境が欲しいと思う今日この頃。。。

カテゴリ:読書録( 67 )

nature or nurture?

「遺伝か環境か?」という問いはおなじみだけど、作者の育った環境は劣悪、不運等とは簡単にいえないくらい大変だったと想像できる。でも、彼女は現在耳が聞こえないというハンディを感じさせずに外資系に勤務しながら母となった。もちろん人生は平坦ではなく、2度もひどい鬱にかかったこともあった。ただ、彼女のすごいところは自ら「スーパー・ス―リン」と呼ぶように、エイッと言うときは、サバイバルのために前に進もうとすることだ。おそらくそうしなければ生き延びられなかった環境で身についた能力だろうけど、彼女のこの力には勇気づけられる。

入学した超ヤンキー高では、悲惨ないじめを受けないために自分もヤンキーになり、「目立たなく大過なく卒業すること」をめざし、無事卒業したって、すごい戦術と実行力。

言語習得に関しては、軽く触れられている程度だけど、彼女の人生の困難に比べたら言語習得は、興味を持ち努力すればできることなんだから、きっとそれほど大変さはなかったかなと思う。たとえ、聴覚がなくともひとの何倍の努力をすればいいのだから。。

例えシリアスな場面でも、文体は軽い。(ちなみにふりがながふってあるので、小学生でも読める)でも、母との確執をのりこえた経緯など、伝えたいメッセージは胸にちゃんと届く。作者の人となりを感じさせる文章だ。





Amazonの内容紹介より

30歳で外資系一流企業に就職した、変わり種キャリアウーマンの
へこたれないトンデモ半生記!

生まれは、ソウル。4歳で親に捨てられ、6歳で聴覚を失う。
12歳の時、銚子で韓国スナックのママになっていた母に連れられ日本へ。
耳は聞こえず、言葉もわからず、学校ではイジメにあう散々な毎日。
成績もどん底で、なんとか入れたのは地元の超ヤンキー高校だった。
そんな彼女が、なぜ世界へ羽ばたいていけたのか──?
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by redsunflower | 2013-05-08 11:30 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
山中先生の研究人生についてもっと知りたいと願っていた。でも、お忙しい先生が本を執筆されることも当面ないだろうと思っていたが、あったのである。後半はインタビュー形式であるが、先生の人生の軌跡が垣間見ることができて興味深い。

奈良先端技術大学院大学から京都大学へなぜ異動されたのか知りたかったのだが、医学部のない大学では「ヒト細胞」を研究することが一定以上のレベルになると倫理上認められなかったというのが大きな理由だそうだ。

山中先生の研究テーマは様々なプロセスを経て変遷されたきた。日本の多くの大学では「一本道」の方が尊ばれるようなところがあるが、山中先生が様々な研究テーマをかえることについては、必要とあればよし、と考えておられることにも勇気づけられた。でもVW (Vision & Work hard)が伴わなくては達成できないという言葉はしっかり胸に刻んでおきたい。

最後に中学時代の愛読書がペリー・ローダンシリーズと聞いて嬉しくなった。私の実家では、父・兄と私の3人でペリーローダンシリーズを高校~大学と読み競っていたので。。。
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by redsunflower | 2013-03-25 08:47 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
朝日新聞夕刊でしばらく前にコラムで紹介されていた通訳者篠田顕子さんの著書。ずいぶん昔の本だが思い出して紹介します

篠田さんは昔通訳学校に通っていたころ、憧れの同時通訳でした。講演会にも行きました。

英語ができるということと、英語でお金儲けができるということの違い、
企業通訳の前には、何百という専門用語を英語→日本語、日本語→英語を一夜漬けで覚えなくてはならないこと、
華やかにみえる通訳だけど、毎日の不断の積み重ねが必要な仕事であること。

帰国子女の篠田さんでさえ、これほどの努力をされているのに、メイドインジャパンの私がどこまでできるのか、などいろいろ考えさせられました。

結局、私がたどりついた結論。

英語は通訳をめざすほどの覚悟で勉強しなければ、身につかない。
英語力が身についた時点で、通訳を本当に目指すか、別の仕事を考えるかそれはその時考えよう。

 で、今日の私に至るわけです。

勉強して苦しいときに何度も読み返し自分をは励ましてきた本です。
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by redsunflower | 2012-09-08 11:03 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
この連休中に自分へのご褒美としてオーダーした本。

なぜ、医療英語かというと、最近医療ものの「海ドラ」にはまっているからだ。3月にスタートした無料のDlifeチャンネル、ディズニーのドラマ用チャンネルらしいが、そこで放送されている"Dr. House"と"GREY's Anatomy"。録画して時間が空いた時に見ているが、結構人間関係が描かれていておもしろい。が、医療英語の語彙がないために未知の英単語が飛び交いわかりにい(バイリンガルのドラマを見るときは、「英語で」を基本としてる)。医療単語に限らずいわゆる専門用語の英語は、もともとラテン語、ギリシャ語等がルーツになっていることが多いから、その背景知識がないものにはキツイ。

で、この本。

いわゆる硬い本ではなく、タイトルどおりに、ボスに言い渡された留学中のポスドク日本人が必死に医療英語を学んでいくストーリーになっていて、しかも単語が派生語を中心に解説されている。読み物としても面白い。ただ、量が多いので本気で覚えようとすると、かなりの努力が必要そうだが、私の場合、今までにバラバラで覚えていた医療英語を体系的に整理するのによさそう。それと、眠れないときの読書に。すぐ眠れそうだ。。。

「トシ、一週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。」田淵アントニオ著 株式会社SCICUS
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by redsunflower | 2012-05-02 07:42 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
本日、駅なかの書店で買い、一気に読む。

最近ベストセラー続出の著者の本。ご本人の写真入り広告(20年前の写真と現在の写真を比べたもの)も地下鉄でよく見かける。

タイトルが軽いなあ~と思って読む気しなかったが、本屋で立ち読みして、「一年後に死ぬとしたら、何をします?」という見出しを見て、読みたいと思った。

著者は、乳腺専門医。軽いタイトルとは反対に読み応えがあった。医者であった父親と祖父がいずれも50代で心臓病を発病、そして闘病の上なくなった。自分がその年齢に近づいたとき自分の生き方をふりかえったという。

最も興味深かったのは、細胞時計「テロメア」の話。

細胞分裂の回数はその生物によって生まれながらに決まっていてどんなに健康でもそれ以上いきることはできない。p.78

ストレスを超えた先に何も実を結ばないストレスは細胞時計を止まらせる。 p.254

人のテロメアは121歳。しかしテロメアを短くしてしまうような生き方を私たちがしているから121歳より短くしか生きられない、と著者は説く。

そこで、著者は次の10項目を提唱する。
1.ゴールデンタイムの睡眠。
2.腹6分目の食事。
3.食事のバランス
4.食事の味付け
5.野菜、果物の正しい摂取
6.肉食注意
7.運動 過度の運動はNG
8. 煙草NG!
9.大切な人を思う心。
10.地球環境、他の生物との共生

この本の提唱することを実践できるかどうか、それが課題だろう。
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by redsunflower | 2012-04-14 18:19 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
定期購読している雑誌「いきいき」で紹介されていたので、興味をもち新幹線の駅でゲット。帰りの新幹線の中で、一気に読了。

作者は世界的な女性物理学者。過去にも著書「二人で紡いだ物語」をここで紹介したことがある。



その米沢先生が、ご自身のお母様の介護のために東京から大阪まで新幹線で通われている、というお話であれば、絶対読みたいと思うのも当然。

私も親の介護でいろいろ昨年はきつかった。自分の体調不安定なことに加えて、次々と連続する精神的、時間的な圧迫感。幸い、わが親は今は小康状態であるが、米沢先生のお母様は要介護5、しかも施設すら受け入れを拒むほどの容態が深刻な様子。そのお母様の介護を大阪の妹君とおふたりで24時間、毎日続けておられる。

しかし、理系の米沢先生の文章は、どこかdetachedな筆遣いで、重く感じられない。それが却って、介護を若干でもかかわった者にとっては、事態の深刻さがより伝わってくる。

ご自身も「前期高齢者」である米沢先生は、介護保険の有り難さは認めながらも、その課題、また次の世代が現在の介護制度では、人的にも財政的にも絶対に維持不可能であると指摘されている。

そうなると、「介護難民」が大量発生するのは目に見ている。

筆遣いは軽快でも、重いテーマである。

「朗朗介護」 米沢富美子 朝日新聞出版
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by redsunflower | 2011-04-09 09:25 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
漱石が作家になる前に、英語教師だったことは有名だが、ではいったいどんな教師だったのか、、


本書はさまざまな書簡、書物、エピソードから漱石の教師像を明らかにしている。

だいたいよく見る漱石の写真は、スーツ姿に口ひげをたくわえた「きどった」ものだから、教師としては大したことがなかったのだろう、などと勝手に思っていたが、大間違い。



当時は明治初期に政府が招いたいわゆるお雇い「外国人英語教師」が中心の英語教育から、日本人が英語を教えるという次の世代の英語教育が始まろうとしていたころ。漱石は、試行錯誤を重ねながら、当時として画期的なリスニング問題を入試にとりいれたりして、極めて優れた見識と実行力を示している。

しかし、それほど優れた教員であっても、周りの環境、同僚、校長、生徒の態度によって、うまくいかずに(愛想をつかして?)学校を変わっている。

あの「坊っちゃん」の舞台の松山での観察が、なぜか今の学校にも当てはまるところがあり、おもしろい。

今の書生は学校を旅屋の如く思ふ、金を出して暫く逗留するに過ぎず、(中略)かかる生徒に対する校長は、宿屋の主人の如く教師は番頭丁稚なり(中略)生徒の増長し教員の下落するは当然の事なり。p.155

しかし、面倒見が良い点もあり、「真摯に学ぼう」という学生には、就職の世話や、学費の援助、また自宅での勉強会も開いて長く交流したという。
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by redsunflower | 2010-10-13 11:41 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
久しぶりの読書録です。

いろいろな本をざーっと読みはしているのですが、読んでは忘れるという生活が続いていました011.gif

今回の本は、先のワークショップで渡航する前に空港で買った本のうちの一冊です。

機内で、無理に映画を見たり音楽を聞くのも気分が乗らないときは結構疲れるもの。

行きの便では爆睡して読む時間がありませんでしたが、帰りの便では2冊読み切りました。おかげで、あまり疲労感なく過ごせました。作戦成功!

で、肝心の本。

いや、向田邦子、やはり期待を裏切りませんでしたね。今更、と思われるかもしれませんが、
「TVの脚本家」というイメージが強かったので、今まで読んだことがなかったのです。

良き昭和時代を思い起こさせる家庭の描写、お父様の様子。独特のユーモアがあって、すっかりはまってしまいました。さすが、という感じです。

私は、
「これは」
という作者に出会ったら、作品をすべて読み切りたくなるタイプ。

当面、向田邦子作品にはまりそうです。
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by redsunflower | 2010-08-20 10:25 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
この本はchinosさまのブログで紹介されており、ブログで拝見して即注文、3日後には読み終えていました。

本の内容は、chinosさまが非常に簡潔にしかもわかりやすく書いておられるので、私が新たにここで書くことはしませんが、今まで、なんとなく

「運動したら、気分がすっきりした」などという経験が、この本を読んですっきり理解できました。

運動は苦手だし、好きではありませんでしたが、

この本を読んでから、

体を動かすことはこれからの人生のQLにもつながる、と痛感して散歩などにもでかけるようになりました。

仕事でもやもやしていても、30分でも歩くと

「ど~でもいいっか」

と割り切れるから不思議です。

実は実家の父が春以降具合が悪くて、

いえ、正確には病気はほぼよくなったのに、

気分がふさぎがちで、どうしたものかと悩んでいたのです。

もちろん心療科にも通院していたのですが、

心療科の先生は

「何か悩みでもあるのですか」と聞いて、安定剤をだしてくださるだけで、なかなか良くなりません。
(本の中で、近年のメンタル治療は、フロイトの影響を受けすぎており、もう少し、脳科学的見地のアプローチをとるべきだ、とコメントされていました)

で、この本を読んでから、

実家に帰るたびに、

父を散歩に連れ出し、家の周りを歩くことを始めました。

すると、劇的ではありませんが、

父が徐々に元気を取り戻し、

以前のように大きな声でジョークを言ったり、趣味の碁にも出かけれられるようになりました。

もちろん、治る時期がきていたのかもしれませんが、

運動の効果をやはり信じられずにはいられません。

ちなみに私は出講する日は1万歩近く歩きますが、自宅研究日で家にこもる日は1000歩前後。。。

やっぱり散歩しよ!
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by redsunflower | 2009-11-28 17:05 | 読書録 | Trackback | Comments(0)
私は断る力はある、と思う。

若い頃とは違い、

現職場でも

「学生のためにならないこと」

「思いつきで提案してくるウエからの指示」

には、受け入れられないとはっきり言います。

いやいやながら、しかも誰もためにもならないと思いながら仕事するのは、

自分が測りきれないストレスを感じるとわかっているから。

ただ、

理由のある仕事、意義を感じる仕事、するべき仕事は人の何倍も働いています。


「あいつは仕事をしないのに、文句ばかりいう」


と言われないようにはしています。


でも、ときどき、

ウエからの指示をはいはいと受け入れ、しかも仕事を回避している人たちをみると

自分の生き方はこれでいいのか、

などど思ったりしていたことも事実です。

この本は、そんな私を

「おまえさんの生き方はまちがってないよ。」


とサポートしてくれています。

心の底にあったもやもやが

自分が肯定され、すっきりしました。

悪意。嫉妬、ランク・じゃんけんなど

仕事をしていれば必ず出会うネガティブなことがらに、

快刀乱麻の対処法は、気持ちいい。

この本が、今までと違い女性によって書かれているというのがなおさらいいですね。
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by redsunflower | 2009-11-14 12:11 | 読書録 | Trackback | Comments(0)