改訂作業中...と書いておこう

さて,久しぶりの研究のトピック.スイスイ進んでいます,と書ければ一番だけど.

どっぷり「泥沼」に浸かっております.

4月に戻ってきた例の海外ジャーナルの件.3名のreviewersからもらったコメントは建設的なコメントもあれば,"personal reflections"に過ぎないんじゃない,と思えるコメントもある.しかし,これらすべてを切り抜けなければpublishへの道は開けない.

今日は数時間かけてたったひとつのコメントをクリアしただけ.先が思いやられる.(ため息).

でも,悲観要素だけではない.わけのわからない意味がとりにくいコメントについて,あるジャーナルのeditorに解釈をお願いしたら,二つ返事でYES,と言ってくれた.英語母語話者で研究者でeditorでもある彼のアドバイス(彼は自分のinterpretationを言うだけ,と言っているが)は本当に助かる.

研究を進めていくには,やはりコミュニケーション力がものをいうと思う.人に教えを請うのもひとつのコミュニケーション力でしょう.もちろん,いつもお願いするだけでなく,ちゃんと人の手助けをすることも大事.支えあいながら研究者は成長する,とは少し格好よすぎるかな.

泥沼ですが,光は見えます.いえ,光は必ず見えると信じています.がんばろう!
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# by redsunflower | 2006-05-09 17:57 | 研究 | Trackback | Comments(3)

英語”外”教育

私は,英語を教えております.はい,大学で...

しかし,今は英語だけを教えていればよい,という世の中ではありません.

特に気になるのは大学生の日本語と基本的マナーの欠如.
そこで,英語の授業でも「ここまで言うか」というほど細かい注意をいたします.

学生の敬語の乱れは言われて始めて久しいですが,大学の教員に「..って何?」と平気で尋ねてくる学生は数え切れないくらい存在します.そういう時,私は,ひたすら敬語を使って返答します.

「,,,ということです.わかりますか?」等々.

勘のいい学生ならば,すぐに切り替えができ(code switchといいます)敬語で応答するようになりますが,少数です.

「それって,こういう意味?(あるいは,単に「わからん」とさらに続ける学生.最後の最後まで「友達言葉」を使用するのにまったく違和感がない学生も多数存在します.要するに悪意があるのではなく,知らないのです.「敬語」の存在を.あるいは学生たちの過去の教師とのかかわりが「教師とは敬語を用いずに話す相手」と誤ってインプットされているのかもしれません.

折を見て,授業の合間に伝えます.英語にも敬語が存在すること,社会に出てからは,正しい英語を話すよりもTPOに応じた英語を話す方が評価が高くなること等を説明し,母語である日本語の敬語を正しく話せない人は第二言語で話せるはずがないし,その意識も育たないと...

また,クイズや提出物を教員に手渡す時に,バラバラの状態で片手で渡す学生も大多数です.
そこで,やはり私は最前列の学生にこっそり「両手でね」とか「そろえてね」とかささやきます.「将来,就職の説明会で差がつくわよ」と付け加えることを忘れずに.すると意外と皆,聞き耳を立ているがわかります.名づけて「ささやきリレー作戦」.学生は,「そんなこと知らなかった」とキョトンとしていますが,たいてい素直に受け止めます.こちらがびっくりするくらい.

私は英語を教えています.でも,英語は卒業したら使わない学生がいるかもしれませんが,敬語とマナーは社会人の基本です.だから,きょうも老婆心ながら,英語”外”教育にもせっせと励みます.    完
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# by redsunflower | 2006-05-08 21:52 | 教育 | Trackback | Comments(0)

くまのプーさん

落ち込んだ時にどう対処するかは,人それぞれでしょう.家にペットを飼っている人はペットと無邪気に遊ぶ.あるいは,かわいいお子さんがいらっしゃる方は,その寝顔をみているだけで心安らぐかもしれません.しかし,どちらにも当てはまらない私は,自分なりにここに行けば安らぐ,という場所を決めています.

それは,

「100円ショップ!」

家の近くのスーパーに100円ショップができて3年,ずっと愛用させてもらってます.買うのはほとんど文具の類.趣味と実益を兼ねていて重宝している.封筒とか,付箋紙とか,クリップとか家にいっぱいストックしています(注意:私はSOHO研究者,よって,備品などというしゃれたものには縁がない)最近の100円ショップはアジア雑貨にも力が入っていて,これはみているだけでもまるでベトナムのおみやげ物屋さんに迷い込んだような錯覚に陥ることもしばしば...

うろうろ店内を歩き回るのは,まず,運動になる.それに,うーーんと買ってもせいぜい1000円少々,さらに文具は実用品だ.無駄はそこにはない(ときっぱり).

で,きのうも行って来て買いました.戦利品はプーさんの消しゴム.くまのプーさんの顔がそのまま消しゴムになっていて,5個いり105円(消費税込み).色も形も申し分なくプーさんだ!(時々まがい物のキャラが出回っているので注意が必要).見ているとこちらまでホンワカしてくる.よってストックではなく,ふでばこ行きに決定.すでにふでばこには消しゴムが入っているが,特別待遇だ.

私はよく電車の中で仕事をするが,電車の中で仕事をしている女性のふでばこからプーさん消しゴムが見えたら,それは私です.決して怪しいものではありませんので,念のため.
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# by redsunflower | 2006-05-07 13:34 | Trackback | Comments(0)

絶対に失敗しない家づくり 市村博 廣済堂出版

時間に余裕のあるGW中ならでは紹介できる本.この本はよく新聞の広告にでていて興味があったが,図書館でみつけて借りてきた.一気に読む.

感想.

「ええええええーーーー」の連続.

特に,驚愕したのはいわゆる○×ハウスとか○△ホームとかいうハウスメーカーによる建築はすべて,工務店への丸投げであり,ネームバリューと「よい住宅」とは相関関係がないことである.一般的に,ハウスメーカーによる住宅建築費は,3割くらい割高と言われるが,それが実は建築にまわされるのではなく,営業費だったとは...

著者はハウスメーカーの弱点を指摘した上で,ハウスメーカーに依頼する際には,必ず実際に工事を担当する工務店を確認し,そこが建築した家を下見した上で決定することをすすめている.しかし,ふつう,メーカーは工務店名をなかなか明かさないらしい.

してみると,ハウスメーカーに頼むと,地元の地域密着型の工務店に頼むより,高いし,手間はかかるし,ということか.

このような,ユーザー不在のビジネスを21世紀になっても堂々と継続できるのはなぜだろう.しかも,一生の賃金の何割かを費す住宅建築なのに.

家を建てようとする方,あるいは周りにそういう人がおられる方,とりあえず一読しておいて損はないでしょう.
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# by redsunflower | 2006-05-06 09:00 | 読書録 | Trackback | Comments(1)

「二人で紡いだ物語」米沢富美子著 朝日出版社

作者は、物理が専門の方には、知らない人はいない日本を代表する物理学者。最近でこそ、女性が研究者であってもそれほどまでに珍しがられることも数少なくなったが、1930年代生まれの作者にとっては、女性が生涯職業を持ち続けることさえあまり一般的ではなかったにちがいない。しかし、作者は、妻、母、そして研究者という3足のわらじをはき、見事にそれぞれの役割を果たしている。今でいう「キャリアウーマン」の先駆けであるが、肩肘を張らず、民間企業に勤める夫と2人で、困難を乗り越えてきた様子には、感服だ。

作者はまた数度にわたる大病に見舞われながら、病室で手術直前まで論文を書いたりして、研究に取り組んできた。それも、自然に当然の如く、進めている様子に、「どこからこのエネルギーが隠されているのか」と驚嘆するばかりだ。

偶然にも本の中に、ジャーナリスト千葉敦子さんと交友があったことが記されている。千葉敦子さんの本は私はほとんど全て読んでいて、彼女のかみそりのような切れ味のある人生には影響を受けながらも、とても真似ができないと感じていたが、一流の研究者である作者の半生がここに記されているようにプライベートも家庭も充実させて成り立つ例があったことを読んで、勇気付けられる。
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# by redsunflower | 2006-05-04 22:35 | 読書録 | Trackback | Comments(4)

「夜会」に行く

「夜会」...と聞いてピンときた人は,もしかして私と趣味の一部が一致するかも.なんてね.

昨日大学の授業を終えてから,「夜会」を観に行ってきました.夜8時開演なので,余裕の移動.でも終了が夜10時半なので,近くのホテルに「おひとりさま宿泊」しちゃいました.(一応,同居人も誘ってみたのだけど,興味ない,と却下されたので,,)

「夜会」は中島みゆきの芝居兼コンサート兼ミュージカルです.今の人にはプロジェクトXの「地上の星」を歌っているあの人,といった方がピンとくるかもしれませんね.

中島みゆきなしでは,私の青春は語れません.
高校時代,受験校で暗い青春(!)を送っていた私には,私以上に暗い中島みゆきの歌が救いでした.どれだけ暗い歌かっていうと,たとえば当時のアルバム(CDでなくLPです)のタイトルが「生きていてもいいですか」「私の声がきこえますか」「みんな去ってしまった」等ですから,相当なものでしょ.この頃は毎日レコードが擦り切れるまで聞いていて,家中から「頼むから暗い歌を一日中かけるのはやめてくれ」とよく言われたものです.でも,おかげで今でも当時の歌詞は覚えています.ストレスがたまると,お風呂で中島みゆきオンパレードを歌い,同居人から怪訝な目で見られています(笑)

みゆきさんは私よりちょうど10歳年上.ちなみに今年5×才になられたはずです.
しかし,そのステージは,すごい.構成,演出,演技力,踊り,歌と彼女の才能がすべて発揮されています.決してネクラな歌だけの人ではありません.

と同時に,この年齢でこれだけのことを舞台で演じ続けるために,彼女が陰でどのくらい努力をしているか考えると,頬をびしっとたたかれるくらいの衝撃を受けました.ボイストレーニングはもちろん,ダンスや体力づくり,何よりクリエイティブであり続けられるのは決して持って生まれた才能だけではなく,絶えず切磋琢磨した環境に身をおかなくては何十年もこれだけの仕事はできないことでしょう.

「私は,そこに職人魂をみた.」
プロジェクトX風にまとめてみるとこうなるかな.
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# by redsunflower | 2006-05-02 20:13 | プライベート | Trackback | Comments(1)

ただいま仕事中

本来なら,もうとっくにお休みモードに入っているはずの日曜のこの時間.
ただいま夜11:29.

仕事中!

先ほどひとつ発表予稿原稿をやっと送った.

息つく暇もなく,もうひとつの学会発表予稿を仕上げなきゃ....〆は連休明けだけど,英文6ページなのでやはり,チェックをしてもらわないと.そうするとGWが入るので明日中にはチェックをお願いするひとの手にわたさなきゃー,ということで仕事してます.原稿は仕上げたのだけどなあ,今いち気にいらないしなあ.しかし,論文ではないからなあ.いいかなあ?

国際学会では私の知る限り発表のあとで,プロシーディングスを出すところが多いのに,何で日本の学会は前もっての予稿に力をいれるのかなあ?誰か教えてくださーい.(と,八つ当たり).


とにかくもうちょっとふんばります.これが終わればGWだああ.(あ,明日は授業だった)
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# by redsunflower | 2006-04-30 23:28 | 研究 | Trackback | Comments(0)

追憶

3年前の今日,私は友人を亡くした.

優秀な高校の英語教師だった彼女とは修士課程で知り合った,お互い忙しい身,授業の時しか顔をあわせなかったけど,彼女の人柄,そして何より教員としての意識の高さに尊敬の念を覚えた.社会人になってから,このような素晴らしい人とめぐり合い,友人となることができたことを心から喜んだ.

ある4月のはじめ,授業を終えて夜帰る際に,「明日,授業初日の準備をこれから帰ってしなきゃ,今日徹夜になるかも」と言った彼女に,私は「○○さんくらいベテランになれば.そんなに必死にならなくても,何とかできるんじゃない?」と少々疲れが見えている彼女を気遣ったつもりで言った.

すると,

「高校生には,初日で”この先生についていけば絶対何とかなる”と思わせることが大事なの.だから,綿密な準備はかかせない.そうしなきゃ,彼らからみれば,私はただのおばさんよ」と彼女はきっぱり言い切った.

私のDの際も,まだ草案段階で彼女に「**をテーマにしようと思うのだけれど」と言うと,すかさず「それは英語教育では絶対大事なトピックよ,がんばって!」と励ましてくれた.まだ,海のものとも山のものともわからない段階だったので彼女のコメントにどれほど励まされたか.

Dのパイロットスタディにも参加してもらった.パイロットでは,信頼できるフィードバックをもらうことが何より大切だからだ.当時彼女はすでに病気を抱えていて,療養中だったが「体調のいい日に少しずつやってみるわ」と言ってくれた.

パイロットも順調に終わり,本スタディにも参加してもらうはずであったが,3月に国際学会から帰国した私に一通の手紙が届いていた.それには「体調が悪く,リサーチの件も途中で降りるより,今降板したい.ごめんね」と書いてあった.普段の彼女からは想像できないくらい字が弱々しかったのが気になったが,「また,体調がよくなったら別の研究でアドバイスしてね」と返事を返した.その当時は,彼女がそれほど具合が悪いとは思わなかったのだ(また,そういうことを感じさせる人ではなかった.最期まで...)

それから1ヶ月後の4月29日,彼女は永遠に帰らぬ人となった.

私はDを終えることができたのは,ひとえに彼女の名前をDの謝辞に残して出版したいという思いがあったからだと思う.彼女という優れた教師であり,母である人が存在したということをとにかく記録に残したかった.Dで落ち込んだ時は,そのことだけが支えになってくれた.

今でも何故,彼女のような人が亡くならなければならなかったのか,納得できない.きっとずっとわからないだろう.でも,ひとつだけいえることは,もっと生きたかった彼女に対して,残っている私は自分の人生を彼女に恥じないものにしなくてはならないと思う.
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# by redsunflower | 2006-04-29 09:48 | Trackback | Comments(1)

Return to Flight

「宇宙日記 ディスカバリー号の15日」 野口聡一 世界文化社

私は宇宙物の本も好きだ(映画も).これはたぶん技術者である同居人の影響が大きい.同居人は,技術の進歩や物を作り上げていく過程に興味があるようだが,私は困難に挑んでいく人間のドラマに心惹かれる.

筆者はディスカバリー号で宇宙に行った昨年,宇宙でも日記をつけていたが,その日記をもとに書かれた本.この本の魅力は偉業達成記録にとどまらず,”Before Flight”という形で,コロンビア号の事故後に筆者らが参加した「機体破片回収捜索作業」から打ち上げまでの様子,心情がつづられていることである.自分たちの参加する次のミッションが失敗すれば,おそらくNASAの宇宙計画は頓挫するだろう.厳しい訓練の中,再開作業にかかわるすべての人々の思いを感じ,ひたすら「Return to Flight]をめざしていく筆者の姿勢には感動せざるをえない.

見えるゴールはたやすい.見えないゴールをめざすことは,道のりこそ厳しいが,知性ある人間のみチャレンジできる素晴らしい人生であるということをこの本は改めて教えてくれる.

*Return to Flight(RTF)はスペースシャトルの飛行再開計画の名称
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# by redsunflower | 2006-04-28 08:17 | 読書録 | Trackback | Comments(3)

4月総括

この4月はおそらくDが終わって以来もっとも生産的な月だったと思う。4月1日の目標も何とかクリアした。よし!

このブログをつけるようになって、自分の研究者としての過ごし方を冷静にみられるようになったのが大きい。私のとりまく職場環境では、「研究」とか「論文」とかの話をすると、完全に浮いてしまうから、すごいストレスが大きかった(注意:私の職場は「大学」です!)

ここだと、自由に研究の話もできるもんね。(それに、愚痴も。。。)分野や専門が異なっても、皆さんががんばっておられる様子に本当に刺激をうけることができる。社会文化的理論では、人間はまわりの環境なしでは学習ができないと言っているが、まさしく実感する。

ブログに感謝!
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# by redsunflower | 2006-04-27 08:56 | 研究 | Trackback | Comments(0)