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死ぬということ

先日、父が亡くなりました。入院生活およそ9か月。

仕事以外の時間をほぼ病院との往復で使っていたので、今だ自由に使える時間が増えたことに慣れません。
でも、この9か月は現在の医療制度、緩和ケア、そして介護保険と在宅介護(一時、在宅に切り替えざるえませんでした)についてたくさんの経験をしました。無知ゆえに、歯がゆい思いをしたことは何度も。
2人に一人ががんで亡くなるという現代、がんで死ぬとはこういうことなのだと父は身を持って教えてくれたと思います。この話は、また別の機会に。


私は海辺に立っている。海岸の船は白い帆を朝の潮風に広げ、
紺碧の海へと向かってゆく。船は美しく強い。私は立ったままで
眺める。海と空が接するところで、船が白雲の点となりさまようのを。

 そのとき海辺の誰かが言う。「向こうへ行ってしまった!」。「どこへ?」。

 私の見えないところへ。それだけなのだ。船のマストも、船体も、
海辺を出たときと同じ大きさのままだ。そして、船は今までと同様に
船荷を目指す港へと運ぶことができるのだ。

 船が小さく見えなくなったのは私の中でのことであり、船が
小さくなったのではない。そして、海辺の誰かが「向こうへ行ってしまった!」
と言ったとき、向こうの岸の誰かが船を見て喜びの叫びをあげる。
「こちらに船がきたぞ!」。

 そして、それが死ぬということなのだ。

                           ヘンリー・ヴァン・ダイク
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by redsunflower | 2016-06-29 17:46 | プライベート | Trackback | Comments(1)