カテゴリ:読書録( 63 )

医師はそのひとの人格以上の医療はできないものである

「癒されて生きる:女性生命科学者の心の旅路」柳澤桂子著 岩波書店


作者は元理系の研究員。30数年病気と闘いながら、命とは何か、医療とは何かを時には科学者の視点で、時にはひとりの患者の視点で問う。タイトルの言葉は、32歳のころ原因不明の病を発病しそのまれな症状のために「仮病」や「うそつき」などとその後30年近く、医師の数々の心ない暴言に病以上に傷ついた作者が達観した結論である。発症されたのが70年代であり、医師の言葉が絶対であった時代という点を考慮にいれても、この言葉の持つ意味は大きい。

ひいては、

教員はそのひとの人格以上の教育はできないものである」

とも、

研究者はそのひとの人格以上の研究はできないものである」


ともいえないだろうか。 時あるごとにかみ締めたい言葉である。
[PR]

by redsunflower | 2006-04-11 12:01 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

お薦め本 ☆☆☆☆☆(星5つ)

「実践リーダーをめざすひとの仕事術」新水社 メアリーウイリアムス&キャロリンエマーソン

心強い本。会社でも研究者でもキャリアをめざす女性なら読んでおいては損はない、と思う。
キャリアウーマン向けの実用書は、ビジネスコーナーでもちらほら見かけるようになったが、女性研究者向け、となると数少ない。

新しいキャリアを目指す際の面接の臨み方、仕事の時間管理、家庭との両立、子育て、なんとTV出演の際のインタビューの受け答え方の心構えまで、細かく具体的にアドバイスしている。もちろん、文化的背景(著者はカナダ勤務)もあり、すべてが日本で適応できるとは思わないが、孤独に陥りがちな女性研究者にとって、このような実用的な本は心強い。

「女性の」と書いたが、男性にももちろん応用できるポイントがあるし、男性研究者にもおすすめ。また、研究職だけでなく、企業でキャリアをめざす男女にもお薦めしたい。

*(若手)女性研究者のかたへ 耳寄り情報がありましたので、トラックバックさせていただきます。ひとりでも、この情報を多くの方に知っていただけたらと思います。

http://a-scientist.jugem.jp/trackback/17
[PR]

by redsunflower | 2006-04-09 20:43 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

女性の生き方1

そもそもブログ作成の大きな目標のひとつに,研究外の私の読書記録を残しておきたいことであった.

今は亡きジャーナリスト千葉敦子さんの「ななめ読み日記」はとても有名だが,本を読んだ上での雑感を残すことは,もしかして間接的に私の人生を理解してもらえるかもしれない.

ブログを始めて1ヶ月以上過ぎたが,初の本の紹介.

「運命に従う」小川亜矢子 幻冬社

著者はバレエに魅せられ,日本人として始めて英国ロイヤルバレエスクールに入学した.彼女の華やかな私生活(欧米での上流階級での暮らし,男性関係など)も興味深いが,60年代半ばに海外バレエ生活にピリオドをうち,帰国したのち日本のバレエ界の問題を「徒弟制度がのこり,バレエ界の進展を妨げている」と鋭く指摘している点が興味深い.ちなみに篠原涼子(女優)と結婚した市村正親氏も彼女に指導を受けたひとりらしい.現在では当たり前の,舞台役者がクラシックバレエの基礎を習得するということを広めたのも彼女の貢献が大きい.

私は,女性が努力で生き抜いていく話が好きである.必然的に,本もそういう類のものはなるべく読むようにしている.(だから,チャングムの誓いにもはまっているのかも)
[PR]

by redsunflower | 2006-03-23 07:31 | 読書録 | Trackback | Comments(0)