カテゴリ:読書録( 63 )

「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」菅信子 幻冬舎新書

やっとデータチェック第一陣が終わった。
これからようやくデータを分析して、そして学会のアブストラクト作成が始めることができる。
(その後、別のデータチェックが待っている。やれやれ。。こちらの方が量が多くておそらくもっと大変になりそう)

さて、最近読んだ本から。
「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」菅信子 幻冬舎新書

菅元首相の奥様が著者。発行日からまだ首相になって間もない頃に出版されたようだ。
不本意な取材を受けてゆがんだ情報が伝わるよりも、自分の言葉で伝えられることは伝えたいから書いた、とある。

菅元首相は、原発事故の対応について大変ネガティブな評価がマスコミでは伝えられたが、少なくとも著者の書く首相は普通の市民運動家が国会議員になり、首相になっただけで、人柄としては好印象のもてる感じだ。もちろん、奥様=著者である色眼鏡もあるだろうけど。「イラ菅」というのは事実のようだが、マスコミであそこまで否定される政治家だったのかという気がする。官邸にすら、情報が入らないあの状況で、どれだけの人が評価に値する行動がとれるだろう、と思ったりもする。

本書では、おふたりの子ども二人が不登校になったこと、サミットへ持参するお土産を外務省の推奨リストにある、「ありきたりの日本グッズ」ではなく、作者の友人ネットワークの手を借りて見つけた漆塗りのUSBにしたこと、ホスト国の夫人のネコ好きの情報を得て、猫の描かれた着物を着たことなどもエピソードが紹介されている。

また、官邸への引っ越しもリフォームの提案を受けたが、「今、住んでいる賃貸のマンション」より広くてきれいだからということで、さっさと移り住んだなど、好感がもてる。
作者が本文で「日本のメディアの政治部の記者はキャリアが浅く(入社数年目が主流)、政治家や政治を本質的に勉強し、とらえきれていないのではないか」という指摘は、鋭い(経済の記者はよく勉強している、とあるが)
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by redsunflower | 2014-01-22 11:41 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

いのちの贈り物 鈴木秀子著 中央公論社

今日は1月17日。阪神淡路大震災が起きた日です。

多くの命が失われた震災。
震災に被災された方だけでなく、自分の身にいつ何時ふりかかるかもしれない理不尽な悲しみにどのように向き合うのか、この本はひとつの示唆を与えてくれます。


愛する人、かけがえのないものを奪い、恐怖と苦しみの日々を強いた阪神大震災。しかし深い絆や人間の新たな可能性に気づく啓示でもあった。地震に遭った人々に灯る限りない優しさとあたたかさを見つめたヒューマンドキュメント。(アマゾンより抜粋)
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by redsunflower | 2014-01-17 10:00 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

」「終の棲み家に飛べない理由」俵萌子 中央公論社

著者は離婚後、一線で活躍してきた、老後の生活のために全国各地の理想の老人ホームを探す。

結局、本の刊行を待たずして肺がんの手術を受け亡くなる。そのあとがきに娘さんが寄せた文で彼女の最期がわかるが、先にあげた「ガンを手術すべきかどうか」の本を読んだ後だけに考えさせられた。

以前乳がんにかかったことのある作者は肺がんがわかった時、娘さんに手術を受けるかどうかについて相談した。娘さんは熟考をすすめたが、「体にあるとわかったらとってすっきりしたい」と考えた(と思われた)著者は手術を受けた。その結果、肺炎が悪化し、亡くなったのである。末期はステロイドなどの治療で大変苦しまれたそうだ。「結果的に手術に踏み切ったことが命取りになった」と娘さんは述懐している。

がんは「自分で歩いて診察を受けにくる患者」をすぐ死なせる病ではない、と先の本のどこかにもあったが、いろいろな選択肢が考えることも、ある一定以上の年齢で「がん」と診断されたら必要だと思った。ただ、その選択は難しい。結局はどう死ぬのかを突き詰めるのは、どう生きてきたかということにかかっているのかもしれない。
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by redsunflower | 2014-01-12 12:03 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

「大往生したけれりゃ医療とかかわるな」中村仁一 幻冬舎新書

著者は病院長を経て、老人ホーム診療所所長。ホームで多くの高齢者を看取った経験から、高齢者に過度の医療はやめて、自然死することを受け入れようと説く。先の近藤氏と異なるのは、近藤氏がすべてのがん患者の治療は無用というのに対して、中村氏は高齢者、と限定しているところだろうか。私は個人的にはこちらの説に近い考えだ。80歳過ぎても病院へ行けば、「検査」、そして悪いところが見つかれば「手術」となる。もちろん、意思決定は個人になるが、病院でお医者様にデータを見せられて、手術しますか?と問われればどうしても「とってすっきりしたい」と考えてしまうだろう。ただ、その後のQLは必ずしも手術で確約されたものではない。高齢者になればさらにいろいろな問題を抱え、苦しむことも多い。結局、どのように生きたいのか、延命治療をどう考えるかなどについてはっきりした意思表示をしておかなくては、現在の日本では延命されてしまうという。人はいつかはなくなる、死ぬのは当然の理だということを忘れがちだと本書は語る。模擬棺桶にはいり、残された人生を考えるイベントはユニークだと思った。
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by redsunflower | 2014-01-12 11:51 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

「余命3カ月」のウソ 近藤誠著 KKベストセラーズ

年末に図書館から借りて読んだ本を3冊紹介したい。

高齢の親を見ていたら30年後の自分のあり方をいやでも考えさせられる。

「余命3カ月」のウソ 近藤誠著 KKベストセラーズ
著者は慶応義塾大学 医学部放射線科講師。最近マスコミに取り上げられることが多い。昨年末、朝日新聞の討論にも登場した。

この本は、はっきり言ってよくわからなかった。作者のいう「がんもどき」(注・食べものではない)がガンとどう違うのか、理解できなかった。「欧米と日本とではガンの定義が違う(p.103)」とあるが、本当なのだろうか。このような重要な問題は巻末に参考文献ぐらい載せてほしかった。また、本のあちこちでも散見される「僕の考える」という表現。このことばとがんもどき理論は、整合性がないように思えるのだが。ケーススタディも大切な情報とは思うが、自身が見てこられた150程度の症例で、理論といえるものを導き出していいものなのか。
ただ、現代の医療の問題点の指摘には耳を傾ける必要があるだろう。
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by redsunflower | 2014-01-12 11:48 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

【改訂版 流れがわかる学会発表、論文作成」メディカルレビュー社

私の研究分野は英語研究ですが、多くの大学教員同様こま切れの研究時間しかとることができません。大学の業務、学生への指導、もちろんこれらは仕事の大事な部分ですが、下手をすれば前の研究から数週間・数か月研究から離れざる得ない場合もあります。(最近は、仕事に加えて親のケア・自分の体調ケアにも時間が必要になってきました)何とか時間をうまくやりくりできないかといろいろな本を参考にしています。その中のいくつかは医師向けの本です。

この本は、「症例報告、何をどうやって準備する?」というサブタイトルにひかれて読みました。私の研究分野もcase studyはありますが、どちらかというと単独で発表するというより、他の研究方法を補うという目的で使われることが多いようです。でも、症例=個々の学生の報告も大事だと思っています。
テクニックといったら語弊がありますが、手取り足とり研究の方法を学んできたわけではなく、「大海に放りこまれバタバタしているうちに習得した」感の強い私にとっては役に立つ情報がいっぱいでした。写真データを撮るときは画素数の多いものでというのは基本中の基本ですが、過去に携帯でとりあえずとった写真が使えなくて苦い思いをした私には説得力があります。また、エピローグの「準備の時間は奪い取れ!!」というコラムは忙しい=研究に時間が割けないと思っていた私にカツを入れてくれました。(身体を壊さないようにお願いします)と書いてあったのには共感笑いしてしまいましたけど。

学生にパワポの指導を行うときにも参考にできそうです。
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by redsunflower | 2013-09-06 10:27 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

耳の聞こえない私が4カ国語しゃべれる理由 ポプラ社 金修琳 著

nature or nurture?

「遺伝か環境か?」という問いはおなじみだけど、作者の育った環境は劣悪、不運等とは簡単にいえないくらい大変だったと想像できる。でも、彼女は現在耳が聞こえないというハンディを感じさせずに外資系に勤務しながら母となった。もちろん人生は平坦ではなく、2度もひどい鬱にかかったこともあった。ただ、彼女のすごいところは自ら「スーパー・ス―リン」と呼ぶように、エイッと言うときは、サバイバルのために前に進もうとすることだ。おそらくそうしなければ生き延びられなかった環境で身についた能力だろうけど、彼女のこの力には勇気づけられる。

入学した超ヤンキー高では、悲惨ないじめを受けないために自分もヤンキーになり、「目立たなく大過なく卒業すること」をめざし、無事卒業したって、すごい戦術と実行力。

言語習得に関しては、軽く触れられている程度だけど、彼女の人生の困難に比べたら言語習得は、興味を持ち努力すればできることなんだから、きっとそれほど大変さはなかったかなと思う。たとえ、聴覚がなくともひとの何倍の努力をすればいいのだから。。

例えシリアスな場面でも、文体は軽い。(ちなみにふりがながふってあるので、小学生でも読める)でも、母との確執をのりこえた経緯など、伝えたいメッセージは胸にちゃんと届く。作者の人となりを感じさせる文章だ。





Amazonの内容紹介より

30歳で外資系一流企業に就職した、変わり種キャリアウーマンの
へこたれないトンデモ半生記!

生まれは、ソウル。4歳で親に捨てられ、6歳で聴覚を失う。
12歳の時、銚子で韓国スナックのママになっていた母に連れられ日本へ。
耳は聞こえず、言葉もわからず、学校ではイジメにあう散々な毎日。
成績もどん底で、なんとか入れたのは地元の超ヤンキー高校だった。
そんな彼女が、なぜ世界へ羽ばたいていけたのか──?
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by redsunflower | 2013-05-08 11:30 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

「山中伸弥先生に、人生とips細胞について聞いてみた」講談社

山中先生の研究人生についてもっと知りたいと願っていた。でも、お忙しい先生が本を執筆されることも当面ないだろうと思っていたが、あったのである。後半はインタビュー形式であるが、先生の人生の軌跡が垣間見ることができて興味深い。

奈良先端技術大学院大学から京都大学へなぜ異動されたのか知りたかったのだが、医学部のない大学では「ヒト細胞」を研究することが一定以上のレベルになると倫理上認められなかったというのが大きな理由だそうだ。

山中先生の研究テーマは様々なプロセスを経て変遷されたきた。日本の多くの大学では「一本道」の方が尊ばれるようなところがあるが、山中先生が様々な研究テーマをかえることについては、必要とあればよし、と考えておられることにも勇気づけられた。でもVW (Vision & Work hard)が伴わなくては達成できないという言葉はしっかり胸に刻んでおきたい。

最後に中学時代の愛読書がペリー・ローダンシリーズと聞いて嬉しくなった。私の実家では、父・兄と私の3人でペリーローダンシリーズを高校~大学と読み競っていたので。。。
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by redsunflower | 2013-03-25 08:47 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

英語は女を変える 同時通訳者が見たコミュニケーションの不思議

朝日新聞夕刊でしばらく前にコラムで紹介されていた通訳者篠田顕子さんの著書。ずいぶん昔の本だが思い出して紹介します

篠田さんは昔通訳学校に通っていたころ、憧れの同時通訳でした。講演会にも行きました。

英語ができるということと、英語でお金儲けができるということの違い、
企業通訳の前には、何百という専門用語を英語→日本語、日本語→英語を一夜漬けで覚えなくてはならないこと、
華やかにみえる通訳だけど、毎日の不断の積み重ねが必要な仕事であること。

帰国子女の篠田さんでさえ、これほどの努力をされているのに、メイドインジャパンの私がどこまでできるのか、などいろいろ考えさせられました。

結局、私がたどりついた結論。

英語は通訳をめざすほどの覚悟で勉強しなければ、身につかない。
英語力が身についた時点で、通訳を本当に目指すか、別の仕事を考えるかそれはその時考えよう。

 で、今日の私に至るわけです。

勉強して苦しいときに何度も読み返し自分をは励ましてきた本です。
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by redsunflower | 2012-09-08 11:03 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

「トシ、一週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。」田淵アントニオ著 

この連休中に自分へのご褒美としてオーダーした本。

なぜ、医療英語かというと、最近医療ものの「海ドラ」にはまっているからだ。3月にスタートした無料のDlifeチャンネル、ディズニーのドラマ用チャンネルらしいが、そこで放送されている"Dr. House"と"GREY's Anatomy"。録画して時間が空いた時に見ているが、結構人間関係が描かれていておもしろい。が、医療英語の語彙がないために未知の英単語が飛び交いわかりにい(バイリンガルのドラマを見るときは、「英語で」を基本としてる)。医療単語に限らずいわゆる専門用語の英語は、もともとラテン語、ギリシャ語等がルーツになっていることが多いから、その背景知識がないものにはキツイ。

で、この本。

いわゆる硬い本ではなく、タイトルどおりに、ボスに言い渡された留学中のポスドク日本人が必死に医療英語を学んでいくストーリーになっていて、しかも単語が派生語を中心に解説されている。読み物としても面白い。ただ、量が多いので本気で覚えようとすると、かなりの努力が必要そうだが、私の場合、今までにバラバラで覚えていた医療英語を体系的に整理するのによさそう。それと、眠れないときの読書に。すぐ眠れそうだ。。。

「トシ、一週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。」田淵アントニオ著 株式会社SCICUS
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by redsunflower | 2012-05-02 07:42 | 読書録 | Trackback | Comments(0)