Lee Silver
大学生を教える際に、
何を到達目標にするべきか、 学部生にどこまで「ゴール」を設定すべきか、 いろいろ迷うところです。 授業だけならともかく、 ゼミで学生を指導していくことが始まる新年度は、 さらに真剣に考えなくてはならないでしょうね。 そんな時、思い出すのがリー・シルバー教授。 アポロ計画後半、初期の「ソ連と月着陸と競う」という大目標も達成したあと、、アメリカがベトナム戦争の泥沼にはまり、アポロ計画を『税金の無駄遣いだ」とか非難され始めた時期に、NASAは、科学的目標をミッションの使命とした。 しかし、優秀な宇宙飛行士(航空学でドクターとかマスターを持っている軍人さんたちも多くいた)といえども、いきなり月面で、科学的探査ができるはずがない。そこで、白羽の矢が立ったのが、geologyのシルバー教授だ。 彼は、アポロクルーを原野に連れ出し、フィールドリサーチの基礎を徹底的に教え込む。それまで、座学で「花崗岩とは。。」などと勉強してきたクルーは、戸惑ったが、彼の指導の下、優秀なfield geologistに成長する。 アポロ15号の科学的貢献は、ここには書ききれないが、 彼らは月面で有名な「ガリレオのピサの斜塔の実験」を行う。 月面でハンマーと羽根が同時に地面におちる映像は、きっとどこかで見た人も多いだろう。 アポロ15号のクルーの一人、David Scottは帰還後の記者会見で 先日紹介した 「知性とは満たすべき器ではなく、燃やすべき炎である」 というプルタークの格言を引用して、シルバー教授に感謝の意を表した。 このエピソードは,DVD「人類月に立つ」の第10話で見ることができる。 教員として、「考えさせられ、元気がもらえる」ドラマだ。
by redsunflower
| 2007-02-22 11:50
| 教育
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Comments(4)
うわーお。
「アポロクルーを育てた先生」 アポロをそういう目でみたことがなかったので、すごく新鮮でした。 いいお話をありがとうございます☆彡
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美崎 葵
at 2015-03-26 16:54
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『人類、月に立つ』のあの格言を追って、このページにたどり着きました。
何度観ても、あのアポロ15号のエピソードはグッときますし、何度でも観たくなります。 時間を気にしなくて良いのであれば、ああいった教育を日本の子ども達にもして欲しいですね。 雑文、失礼しました。
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redsunflower at 2015-03-31 08:15
コメントをいただいて私も久しぶりに格言を読み直しました。やっぱり素晴らしい言葉だと改めて実感しました。ありがとうございました。
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