「ひとりで死ぬのだって大丈夫」奥野滋子著 朝日新聞出版
昨年、親のがんの再発がわかってまず言われたのが、「最期の看取りを在宅でするかどうか」ということ。その際に一度図書館で借りた本。書かれている末期がんの症状が、まさに今、該当することが多く再読した。
本は在宅を勧める趣旨が中心だが、必ずしも在宅だけを選択肢に入れているわけではない。 初めての在宅での看取りは、人の死に慣れていない現代人にとってハードルが高すぎる(医療関係者においても、医療の分業化(急性期、慢性期など)終末期の患者をみとることに慣れていない人も多いらしい。 在宅医療は国の医療方針だそうで、今回の医療保険点数改正にあたっても、在宅医療に手厚い改正が行われた。 しかし、実際この一年親の症状を見てきて、がんの在宅での看取りはよほど覚悟と条件がなければ、家族はつぶれてしまうと感じた。当初は医療保険でカバーできない分は、自費で人を雇って在宅看護で、と考えていたが、がんに痛みが出た時点でその考えは粉々になった。がん患者の70%程度に痛みがでるらしいが、その痛みは見ていられないほど強烈だった。もちろん、通院していた時もドクターは痛み止めと「レスキュー」と呼ばれる医療麻薬を処方してくださったが、だんだんうまく痛みをコントロールできなくなってしまった。家族としては、痛み続ける親の姿を見るのは本当につらかった。 ホスピスに入るには、告知が必要だったので、悩み抜いたうえ、告知をして緩和治療を選択した。 今、親は、病院でほぼがんの痛みを感じていない。痛みのコントロールは個人差があるので、熟練した処方が必要だそうだ。容態が日によって変わるが、適宜薬の処方を変えてくださっている。 ただ、スピリチュアルペインと呼ばれる心の痛みは、難しい。ただ、寄り添って調子のいい時に声掛けかマッサージぐらいしかできない。 しかし、考えてみれば在宅で、医療知識の乏しい家族がどこまでできるだろうか。日々の不安に押しつぶされてしまってスピリチュアルペインを抱える病人の心に寄り添うどころではないだろうと思う。
by redsunflower
| 2016-03-18 10:43
| 読書録
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