「大往生したけれりゃ医療とかかわるな」中村仁一 幻冬舎新書

著者は病院長を経て、老人ホーム診療所所長。ホームで多くの高齢者を看取った経験から、高齢者に過度の医療はやめて、自然死することを受け入れようと説く。先の近藤氏と異なるのは、近藤氏がすべてのがん患者の治療は無用というのに対して、中村氏は高齢者、と限定しているところだろうか。私は個人的にはこちらの説に近い考えだ。80歳過ぎても病院へ行けば、「検査」、そして悪いところが見つかれば「手術」となる。もちろん、意思決定は個人になるが、病院でお医者様にデータを見せられて、手術しますか?と問われればどうしても「とってすっきりしたい」と考えてしまうだろう。ただ、その後のQLは必ずしも手術で確約されたものではない。高齢者になればさらにいろいろな問題を抱え、苦しむことも多い。結局、どのように生きたいのか、延命治療をどう考えるかなどについてはっきりした意思表示をしておかなくては、現在の日本では延命されてしまうという。人はいつかはなくなる、死ぬのは当然の理だということを忘れがちだと本書は語る。模擬棺桶にはいり、残された人生を考えるイベントはユニークだと思った。
[PR]

by redsunflower | 2014-01-12 11:51 | 読書録 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://sunnily.exblog.jp/tb/21261488
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。