Return to Flight

「宇宙日記 ディスカバリー号の15日」 野口聡一 世界文化社

私は宇宙物の本も好きだ(映画も).これはたぶん技術者である同居人の影響が大きい.同居人は,技術の進歩や物を作り上げていく過程に興味があるようだが,私は困難に挑んでいく人間のドラマに心惹かれる.

筆者はディスカバリー号で宇宙に行った昨年,宇宙でも日記をつけていたが,その日記をもとに書かれた本.この本の魅力は偉業達成記録にとどまらず,”Before Flight”という形で,コロンビア号の事故後に筆者らが参加した「機体破片回収捜索作業」から打ち上げまでの様子,心情がつづられていることである.自分たちの参加する次のミッションが失敗すれば,おそらくNASAの宇宙計画は頓挫するだろう.厳しい訓練の中,再開作業にかかわるすべての人々の思いを感じ,ひたすら「Return to Flight]をめざしていく筆者の姿勢には感動せざるをえない.

見えるゴールはたやすい.見えないゴールをめざすことは,道のりこそ厳しいが,知性ある人間のみチャレンジできる素晴らしい人生であるということをこの本は改めて教えてくれる.

*Return to Flight(RTF)はスペースシャトルの飛行再開計画の名称
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by redsunflower | 2006-04-28 08:17 | 読書録 | Trackback | Comments(3)

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Commented by POPPY at 2006-04-28 18:43 x
『見えないゴール』、研究そのものですね。知的好奇心に終わりはないですもんね。逆にゴールを作ってしまったら、そこで終り。一生捧げても答えの出ないことを追求するのも楽しいもんですね。
Commented by POPPY at 2006-04-28 18:43 x
『見えないゴール』、研究そのものですね。知的好奇心に終わりはないですもんね。逆にゴールを作ってしまったら、そこで終り。一生捧げても答えの出ないことを追求するのも楽しいもんですね。
Commented by redsunflower at 2006-04-29 09:14
楽しくもあり,苦しくもあり,というのが私の実感ですが(笑),でも研究なしに私の人生は考えられないのでやっぱり,魅力にとりつかれてしまったのでしょうね.宇宙という大それたものではありませんが,私の専門分野で少しでも社会(教育界)に,貢献できればいいなあ,と思っています.